アスベスト含有の旧製品について(旧フジパイプの取扱い及び在庫処理等について)
1 アスベスト含有の旧フジパイプについて
当社の元従業員1名がアスベストによる労災認定で死亡されたことが7月29日に厚生労働省より公表されました。
お客様はじめ関係各位にご心配おかけしましたこと、お詫び申し上げます。
当社富士製造所では昭和32年から昭和64年まで旧フジパイプの製造の原料として石綿を使用しておりました。平成7年4月1日(青・茶石綿)と平成16年10月1日(白石綿)に特定化学物質等障害予防規則の関係法令が施行され、製造禁止となりましたが、当社は法規制に先がけて石綿の使用を中止しております。
今後の対応としては、かつて石綿を取り扱った企業として、社会的な貢献をすべきであるという考え方のもと、石綿問題について総合的な対策を取るべく検討をしております。
旧フジパイプは石綿含有品であり、今後補修等実施の場合には法令に従った諸対応が必要ですので、以下に旧フジパイプの見分け方、補修等における注意事項及び廃棄処分方法等をご説明します。
また、現在のフジパイプ(ガラス繊維含有)の安全性についても、別に掲載させていただきます。
2 旧フジパイプ製品の解体及び修理時の措置事項等
弊社が1989年(平成元年)1月以前に製造販売しておりました以下に示す製品も石綿を含んでおります。
- 旧フジパイプ
- 旧フジパイプ継手類
しかし、これら製品は石綿に樹脂を含浸・硬化させ製造しており、現状のままでご使用いただく範囲では石綿は樹脂により完全に固縛されているため、飛散等は発生せず健康上の問題はないものと判断しております。
ただし、これら製品を切断、研磨する場合には石綿を含む粉塵が発生しますので、平成17年7月1日施行の「石綿障害予防規則」(以下、本文中では「石綿則」という。)に基づく十分な作業指示、作業管理が必要になります。
また、石綿含有製品の製造等は、「労働安全衛生法施行令」で現在全面的に禁止になっております。もし上記当該商品の在庫品等の処分を検討されている場合には法令に基づき適切な処理が必要となります。
以下に解体又は修理作業時等の措置事項等及び石綿在庫製品等の処理方法等について取りまとめましたのでご参考にして頂ければ幸いです。さらに詳細な又は具体的な作業方法等を必要とされるときは弊社にご相談ください。
なお、弊社が現在販売しております製品にはアスベストは一切含まれておりません。
- 弊社旧フジパイプは石綿使用製品ですので工事請負人に通知が必要です。
- 作業計画を定め、作業を行なう。
- 特別教育の実施
作業者に対し、石綿の有害性、保護具の使用方法等の特別教育を実施する。 - 作業主任者の選任
(1)石綿作業主任者を選任し、作業管理及び保護具の使用状況等を監視する。
(2)石綿作業主任者は特定化学物質等作業主任者技能講習修了者の中から選任する。
注)特定化学物質等作業主任者技能講習の日程等は最寄りの労働基準監督署にご確認ください。 - 保護具等の着用
(1)呼吸用保護具(防塵マスク)、作業衣又は保護衣を必ず着用する。
(2)また、これらは付着物を除去した後でなければ作業場外に持ち出さない。 - 粉塵の飛散防止
(1)切断部等は局部集塵または水をかける。
(2)切りくず等を入れるためのふたのある容器を準備する。
(3)作業終了後には散水を十分行ない、周囲に集積した粉塵を洗い流す。
(4)廃材は粉塵が発生しないように丁寧に取り扱う。 - 作業場所の明確化
(1)作業範囲は関係者以外の立ち入り禁止措置をし、見やすいところにその旨を表示する。例)注意:立入禁止/アスベスト作業中 等 - 廃材等の処理
(1)パイプ、継手等の固形化製品は非飛散性石綿含有廃棄物に分類され、通常の産業廃棄物として処理できます。
(2)集塵機等で集められた粉塵及び切断粉は特別管理産業廃棄物として処理する。また、作業時に使用した防塵マスク、作業衣等も特別管理産業廃棄物として処理する。
(3)特別管理産業廃棄物として処理する場合は耐水性の材料(丈夫なプラスチック袋等)で二重の袋詰めにし、石綿(アスベスト)廃棄物のラベル表示を行なった後に、特別管理産業廃棄物処理の許可業者に依頼してください。 - 特殊健康診断の実施等
「石綿則」に則った特殊健康診断を実施する。
ただし、作業頻度、内容等により実施有無が異なることもありますので、最寄りの労働基準監督署にご相談ください。
3 旧フジパイプ在庫品(含む残材)及び旧タイプ接着用充填剤の処理について
旧フジパイプ(継手類を含む)及び以下に示す旧接着用充填剤については、既に製造等は禁止されております。
・青石綿
・白石綿紛揺変剤(TR揺変剤)
この際、健康障害防止のため、これらを処理されることを推奨しますが、この場合には、以下に従い処理を行なってください。
- 旧フジパイプ(継手類を含む)
(1)通常の産業廃棄物として処理をする。
(2)ただし、処理に当たり切断等が必要な場合は、前述1.項「旧フジパイプ製品の解体及び修理時の措置事項等」に則った作業管理が必要です。この際発生した切断粉は特別管理産業廃棄物になります。 - 旧タイプ接着用充填剤
特別管理産業廃棄物として処理してください。
処理する場合には、耐水性の材料(丈夫なプラスチック袋等)で二重に袋詰めにし、石綿(アスベスト)廃棄物のラベル表示を行なった後に、特別管理産業廃棄物処理の許可業者に依頼してください。 - 旧フジパイプ(継手類を含む)の識別について
旧フジパイプと現フジパイプの識別は外表面の目視で比較的簡単に判別可能です。
・旧フジパイプ:外表面にスパイラル状のライン突起があります。
・現フジパイプ:外表面に小さな突起があるが全体的に滑らかである。
識別の一助として、旧と現フジパイプの外観写真を添付しますのでご参考にしてください。
なお、不明点/疑問点がある場合及びさらに詳細な情報等が必要な場合は、お問い合わせフォームをご利用下さい。